大判例

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東京地方裁判所 昭和43年(借チ)2103号・昭43年(借チ)2079号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔決定理由〕(2) まず本件建物の対価については本件建物のうち、平家建居宅床面積27.93平方米の部分に、現在、相手方(賃借人)の娘とその夫が居住しているが、これを申立人(賃貸人)に売渡す場合には、任意に退去するということであるので、その空家としての価格をもつて対価とすべきである。そして、鑑定委員会の意見は、その部分について、一平方米当りの復成現価を金一万五、〇〇〇円としており、これが格別不当とは考えられないので、これを採用し、全面積について金五六万八、〇〇〇円(一、〇〇〇円未満は切捨。以下同じ。)とする。また、二階建作業所の部分については、復成現価を一平方米当り金四、七〇〇円としているので、これを採用し、全面積について、金四六万五、〇〇〇円とする。

次に、土地賃借権の対価について、鑑定委員会は、本件土地の更地価格を一平方米当り金三万五、〇〇〇円とし、借地権価格はその七〇パーセントに近い金二万四、〇〇〇円と評価している。(なお賃貸人に対する譲渡の対価としては、建物及び借地権価格の合計額から借地権価格の一〇パーセントに相当する金額を控除している。)

ところで、鑑定委員会の意見にいう借地権価格は、主として借地権の慣行的な割合に基づく価格であつて、これは、借地権が第三者に譲渡される場合の一般的借地権価格であり、これを賃貸人に譲渡する場合にも、具体的な借地権価格として主張することができるものかどうかは本件借地関係の具体的な諸事情を考慮して判断されなければならない。そして、前記のとおり相手方(賃借人)は申立人(賃貸人)に権利金として3.3平方米当り金五、〇〇〇円円宛を支払つているが、市街地価格推移指数によると、現在の更地価格は住居地において約一〇倍となつているので、右権利金は当時の更地価格の約四〇パーセントを当ることになり、また残存期間は八年であるが、当事者双方の事情が現在のまま推移すれば、契約が更新されることは殆んど間違いないものと予測され、さらに更新後の期間中に借地上の建物が朽廃するに至るかどうか予測は困難であるが、その可能性は極めて乏しいと認められる。しかし、賃料が比較的低額であつたことを考えると、相手方(賃貸人)に譲渡する場合の更地価格に対する借地権の場合は一応六〇パーセントとするのが相当であるが、本件借地権は本来の借地の一部についての借地権であり、しかも、地上建物も一棟の建物の一部分であることを考えると、その譲渡性は制限されざるを得ないので、右の割合より、二パーセント減じ、更地価格の五八パーセントに当る価格をもつて具体的な借地権価格とする。そこで更地価格は鑑定委員のとおり、一平方米当り金三万五、〇〇〇円とし、本件土地の金面積についての借地権の価格は金四八六万一、〇〇〇円とする。

したがつて、建物及び土地賃借権の対価は金五八九万四、〇〇〇円と定める。

なお、本件建物には、東京法務局城北出張所昭和四二年八月九日受付第四五三二一号の根抵当権設定登記があるので、相手方はその抹消登記を経た上で、右建物所有権移転登記をするのを相当と考える。(福嶋登)

別紙

目録

(一) 土地

(1) (イ)東京都足立区青井二丁目一一八番一

宅地317.12平方米(95.93坪)

(ロ)同所一二〇番二

宅地33.09方米(10.01坪)

(2) 右(1)の(イ)の宅地の内206.40平方米(62.44坪)及び(ロ)の宅地(別紙図面(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(イ)を結ぶ線内の部分)

(一)建物

(1)東京都足立区青井二丁目一一八番地の一所在

木造セメント瓦葺二階建一棟

床面積 一階150.30平方米

二階 80.99平方米

(2)家屋番号青井二丁目一一八番一の三

木造セメント瓦葺二階建居宅作業所

床面積 一階87.50平方米

二階49.57平方米

(別紙図面斜線部分) 以上

<図面略>

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